労働安全衛生法で求められる資格と教育の全体像

事業を運営するうえでは、法令に基づいて、従業者に様々な資格や教育を実施し、管理していかなければなりません。総務や人事部門、または安全や環境担当部門では、たくさんの資格や教育の管理にお困りではないでしょうか。

今回は、企業で管理が必要な資格・教育の中でも、労働安全衛生法で定められている資格・教育について整理して、ご説明していきます。

労働安全衛生法で必要な3つの資格・教育

労働安全衛生法で定められている資格や教育は、大きく3つ、

「①免許・技能講習・特別教育」

「②安全管理者の選任」

「③安全衛生教育」に分類することができます。

これらの資格や教育は、特定の業種や事業場の規模によって必要となりますので、自社に必要な資格や教育について十分に理解しておきましょう。

①免許・技能講習・特別教育

労働安全衛生法では、一定の危険有害な業務に就く場合、「免許」の取得や「技能講習」、「特別教育」の実施を義務付けています。

危険有害な業務とは、フォークリフトやクレーンの運転業務、または酸素欠乏危険作業の業務など、従業者に危険や有害な可能性のある業務で、法令にて定められています。

製造業や建設工事業をはじめとして、これらの危険有害な業務を行っている企業においては、対象となる従業者に、免許の取得や技能講習・特別教育の修了を徹底し、漏れのないように管理していかなければなりません。

免許・技能講習・特別教育とは

②安全管理者などの選任

労働安全衛生法では、事業場を一つの適用単位として、各事業場の業種、規模等に応じて、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医といった安全衛生の中心となる管理者を選任することを義務づけています。

また、総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者及び産業医の選任は、その選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、遅滞なく所轄の労働基準監督署へ報告しなければなりません。

法令で定められた選任要件を把握し、自社の業種や事業場の労働者数に応じて、安全衛生の管理者を正しく設置していくことが求められています。

③安全衛生教育

労働安全衛生法に基づく教育は、①の技能講習や特別教育以外にも「雇い入れ時教育」「作業内容変更時教育」「職長等教育」が事業者に義務付けられています。

また、これに加えて、事業者は「危険有害業務従事者への教育」「安全衛生業務従事者への能力向上教育」などの実施に努めなければならないとされています。

危険有害な業務がある会社や職場では、これらの資格の取得や教育が実施されているか、漏れのないように管理していきましょう。

まとめ

労働安全衛生法では、労働者の安全や健康を守るために様々な資格や教育が定められています。大きくは以下3つに分類されます。

  • 免許・技能講習・特別教育:一定の危険有害な業務に就く場合に取得や修了が必要
  • 安全管理者などの選任:業種や事業場の規模によって選任・届出が必須
  • 安全衛生教育:雇入れ時や作業変更時に必要

法令をきちんと把握し、自社の状況や業務に応じて、会社として従業者が確実に資格および教育を取得・修了するように漏れのない管理を徹底しましょう。